本当に会話がない
我が家は夫婦の会話がまったくありません。
というと「うちも普段は全然喋らないよ」とか「子供の話題くらいかな」という方も多いと思いますが、私と夫の間の会話はゼロ。お互いの仕事の予定や休日の予定も知りません。かろうじて子供が「パパは今度○○するんだって」と伝えてくることがたまにあるくらいです。
そもそも挨拶をしない
夫は挨拶をしない人でした。
朝起きて私がリビングにいても無言。「おはよう」と声をかけても「ん」くらい。帰ってきても「ただいま」も言わないし、「おかえり」と言ってももごもごと返事らしき声が聞こえたり聞こえなかったり。出かけるときも黙って出ていくし、ご飯を出しても無言で食べ出す。
もちろん「ありがとう」や「ごめんなさい」も言わない。
よく「挨拶ができない人は人としてダメ」と言われますが、最初はそんな人ではありませんでした。
もちろん結婚したんだから好きだと思ってたし楽しく会話もしてました。でもいつの頃からか、こちらが言わないと無言、言っても無視がだんだん当たり前になってきました。
話し合っても無意味
最初はそれが嫌で、挨拶してくれないなら自分から言おうとがんばってました。
挨拶くらいはしてほしいと口で言ったこともあります。でも喧嘩になることも多く、お互いのわだかまりは消えるどころか増えていくばかり。
一度LINEのやりとりで「挨拶がない? それがそんなに大事なことなのか」と言われ、それを見たときになんだかもう「あ、これはダメだ」とすとんと諦めがついた感覚がありました。
この人とは文化が違うから分かり合おうとしても無意味だと悟ったんです。
たとえば、親しい家族や友人に会ったら握手してハグする文化圏の人に「なんでハグしないの?」と言われても戸惑うと思います。別にしなくてもいいでしょって思ってしまう。
その人が自分にとって心から大切な人だったら、私は意識してハグしようすると思うけど、つまり夫にとっては私はそこまで大切な人ではないということなんだ、と思い知ってしまった感じです。
話し合ってもお互いに平行線ということがわかるだけで、何一つ解決はしませんでした。
会話や挨拶は押しつけ
結局、夫婦なんだから挨拶したいし楽しく会話をしたいと思っていたのは私だけで、それを夫に押し付けていただけでした。
夫はそんなことまったく望んでいなかったのに、私ばかり押し付けていて申し訳なかったと思います。
そう反省してから、夫に挨拶することをやめました。
夫のように帰ってきても出ていくときも無言、朝も夜も無言で活動を始めて勝手に寝ます。
子供にはそういう大人になってほしくないので、きちんと声掛けをしますが。
逆にもう良い年齢の大人の価値観を変えるのはできないと悟り、夫に期待するのをやめました。
挨拶や会話がなくても正直困らないし、挨拶を無視されることもないので心が楽です。
夫も嫌なことを強制されないので心地よいのではないでしょうか。
失望から感謝へ
不満がないわけじゃないし、そんなの家族としておかしいという思いは消えませんが、現状お互いが平和でいるにはこうするのが一番だと気づきました。
「なんでそんな人と結婚したの?」と思われると思いますが、本当に最初はそんな人じゃなかったんです。好きで好きで幸せで、いつもたくさんおしゃべりをしてるごく普通のカップルでした。
結婚して家族になって、だんだんと私への愛情や優先度が減っていったように思います。でも結婚したら愛情が減るなんて、きっと夫も予想してなかったんじゃないかな。私もそんなにあっさり愛が冷めるなんて信じられなかったので。
なので最近は、夫はもともと性格に難ありだったけど出会ったころは私のことが大好きで「まともになろう」と一生懸命に挨拶とか会話を頑張ってくれてたんだなと思うようにしました。
愛が冷めて本来の地が出たのが今の状態なんです。
失敗したなあって思うけど、子供もいるしそんなに簡単に離婚も決められません。
今まで頑張ってくれてありがとうという気持ちと、だったら最初から言えよという気持ちと、今更どうなるもんでもないしという気持ちで、日々過ごしています。
少なくとも挨拶がなくて寂しい嫌だ何とかしなきゃ、と悶々としていた時期よりは今の方がずっと心穏やかに暮らせています。